メタボ外来

メタボって何?

メタボリックシンドロームの略で、内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常症のうち2つ以上を併せ持つ状態のことをいいます。

あなたのBMIはどれくらい?

BMIをご存知ですか? 体重(kg)を身長(m)で2回割った数値のことで、肥満か痩せかを数値で示す指標の一つです。

肥満度分類(日本肥満学会 2011年)

BMI判定
18.5未満低体重
18.5〜25未満普通体重
25〜30未満肥満(1度)
30〜35未満肥満(2度)
35〜40未満肥満(3度)
40以上肥満(4度)
BMI 25以上が「肥満」、35以上が「高度肥満」と定義されています。

太ってて何が悪い

やや太めが一番長生きする、という説もありますが、それでもやっぱり、肥満は体に良くありません。下記のとおり、実に様々な合併症を引き起こすのです。

肥満症の合併症

1. 糖尿病(2型)
2. 脂質異常症
3. 高血圧
4. 高尿酸血症
5. 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
6. 脳梗塞
7. 脂肪肝
8. 月経異常・妊娠合併症
9. 睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
10. 整形外科的疾患
11. 肥満関連腎臓病
2011年に肥満の診断基準が更新された際、合併症として新たに11.肥満関連腎臓病が追加されました。

内臓脂肪と皮下脂肪

肥満には2種類あります。内臓脂肪型と皮下脂肪型です。

【図】リンゴ型と西洋なし型の図

このように見た目である程度見分けがつきますが、腹囲とBMIを測定することでどちらのタイプの肥満なのかをより正確に判断することになります。

内臓脂肪が増えると…

脂肪細胞(アディポサイト)は様々な生理活性物質(アディポサイトカイン)を分泌します。

アディポサイトカインには、体にとって良い作用をするもの(善玉アディポサイトカイン)もあれば、悪影響を及ぼすもの(悪玉アディポサイトカイン)もあります。

善玉アディポサイトカイン

  • アディポネクチン:インスリン(血糖を下げるホルモン)の作用を助け、脂肪の燃焼を促します。
  • レプチン:食欲を抑制して、エネルギーの消費を増やします。

悪玉アディポサイトカイン

  • 遊離脂肪酸:インスリンの働きを妨げます。
  • TNF-α:インスリンの働きを妨げます。
  • PAI-1:血栓を溶かすプラスミンを抑制して、血栓を作りやすくします。

脂肪細胞は肥大化すると悪者になる

小型の脂肪細胞は善玉アディポサイトカインを分泌していますが、肥大化すると善玉の代わりに悪玉アディポサイトカインを分泌するようになります。とくに内臓脂肪は悪玉アディポサイトカインの分泌器官とも言える諸悪の根源なのです。

メタボの全ては内臓脂肪型肥満から始まる

内臓脂肪型肥満は、インスリンの効果を妨げることで糖尿病を発症させ、脂質代謝障害をもたらし、さらには高血圧の発症にも関与しています。そしてこれら3つの合併症(糖尿病、脂質異常症、高血圧)は、いずれも動脈硬化の危険因子でもあるのです。

内臓脂肪型肥満と動脈硬化の危険因子を併せ持つメタボは、脳血管障害や心筋梗塞といった動脈硬化性疾患の重大なリスクファクターなのです。

あなたの肥満は内臓脂肪型? それとも皮下脂肪型?

さっそく判定してみましょう。

まずは腹囲の測定から。起立した状態でおなかの力を緩めましょう。軽く息を吐いたところで、臍の高さで測定します。

男性85cm以上、女性90cm以上の腹囲は、内臓脂肪面積が100cm²に相当すると言われています。ちなみに、内臓脂肪面積とは腹部CT検査で割り出される数値で、画像上、脂肪の面積が100cm²以上の場合を「内臓脂肪過多」としています。

当院ではCT検査ができないので、代わりに腹囲とBMIで内臓脂肪過多がないかどうかをチェックします。

さて、判定です。

腹囲BMI判定
男性:85cm以上
女性:90cm以上
25以上内臓脂肪型肥満
男性:85cm以上
女性:90cm以上
25未満かくれ内臓脂肪過多
男性:85cm未満
女性:90cm未満
25以上皮下脂肪型肥満
男性:85cm未満
女性:90cm未満
25未満正常あるいは痩せ

…いかがでしたか?

内臓脂肪型肥満、あるいは、かくれ内臓脂肪過多と判定された方は、是非一度当院のメタボ外来を受診してみてください(要予約)。

メタボ外来を受診するには

当院のメタボ外来は完全予約制です。ご希望の方は電話か窓口でご予約ください。

健康診断の結果や、内科で採血した結果などがあればご持参ください。